速読英聴・英単語Opinion1400はZ会が出版している「速読速聴・英単語」シリーズのうちの1つです。
このシリーズには、「Basic 2400」「Daily 1500」「Core 1900」「Business 1200」「Advanced 1100」等がありますが
この本に関しては、「速読、速聴解、単語、熟語、背景知識」の5つに
さらに「表現力」が加わり、「一石六鳥」のシリーズへと進化を遂げたシリーズです。
ぼくもまさにこの本は「表現力」を磨くにはうってつけの本だと思っています。
この本の対象者
この本の学習対象者はテキストにも記載されているとおり
- 国公立大学の個別試験でのライティング問題対策をしたい高校生
- ディベート大会出場者
であることは間違いないのですが、
ぼくとしては
- 英検準1級/1級 1次英作文・2次対策
にもばっちり使えると思っています。
英検1級受験者の方がこのテキストを見ると、ぱっと見ではちょっとレベルが低いかな?と思うかもしれないのですが、
「表現力」を磨くにはとても素晴らしい教材です。
結構幅広い層で使える本なんだね
そう!ぼくは英検1級の英作文や2次対策で3周くらいやったよ!
Opinion1400 の中身
Opinion 1400は1400というくらいですので、重要な単語・熟語が文章中に1476出てきます。
単語のレベルはそんなに高くはなく、
MARCHや早慶受験レベルの単語もたくさん入っています。
そして、51の英文が載っています。
51もの英文というとかなりボリュームがありますね。
51の英文は6つの分野に分かれていて、各分野に必ずその分野の一般記事が一つ載っています。
そしてそのあとにその分野に関連した議題に対しての肯定・否定両方のオリジナル英文が収録されています。
以下に、6つの分野と議題例を1つずつあげてみました。
6つの分野と議題例
- 司法・・・同性カップルの結婚を合法にするべきである
- 生命・・・日本政府は15歳未満の子供からの臓器提供禁止を解除すべきである
- 教育・・・学校は包括的な性教育を10代に行うよう義務づけられるべきである
- 社会・・・すべての職場と公共の場所での喫煙は禁止されるべきである
- 環境・・・日本は再生可能エネルギーを普及促進するために一層尽力すべきである
- 国際・・・国連は北朝鮮により厳格な制裁を課すべきである
どれも興味深く重要な論題ですよね。
また、肯定・否定の論じ方は議題によって異なり、以下の4つの方法のどれかです。
- ディベート立論
- インタビュー
- インターネット掲示板
- 雑誌投書
ディベートや雑誌投書はまあ他の本にもあったり雑誌を見ればありそうですが、
インタビューやインターネット掲示板ってなかなかないですよね。
なかなかない、というか、わざわざこんな難しい議題を英語圏のインターネット掲示板で見るなんてしないですよね(笑)
こういった議題のインタビューを目にする機会もほとんどないですし。
なのでディベート以外のこんな多岐にわたる英文を載せてくれるなんてZ会さん、なかなか面白い!
とぼくは思いましたよ(笑)
ちなみに文章レベルは体感的に英検準1級ぐらいです。
議題自体は英検1級のライティングや2次試験で出てくるような議題もあります。
そして右ページには左ページの英文の和訳が載っています。
また、文章中に出てきた重要な単語については同ページ下にまとめられています。
使用した感想
ぼくが実際に使用してみた感想です。
肯定・否定両方の意見がきけるのが良い
まず、ぼくは普段からそんなにこういう議論に興味がないので特に賛成も反対もなんにも意見をもっていないポンコツです。
でもこのテキスト1冊で、いくつもの重要な議題に対しての肯定・否定の意見を聞くことができるので、効率が良いです。
こういう意見があるんだなあと感心しましたし、
なんにも意見を持っていなかったぼくでも、自分の立場を明確にすることができました。
で、なぜ明確にできるとよいのか。それはもちろん英検準1・1級のライティングや2次試験で、さっさと意見をまとめられるというのもそうなのですが
自分の立場を決めて英語に触れることでより一層相手の言いたいことを理解できるようになるからです。
これはこちらのテキストの前書きにも似たようなことが書いてありましたが、大事なことなので詳しく説明します。
例えば、死刑についての記事だとして、死刑に対して自分の考えがあるとします。
その状態であれば筆者の死刑に対しての意見を批評的に読み取りやすくなりますよね。
想像してみてください。
例えば自分は死刑制度に賛成という意見をもっています。
で、相手が、「わたしは死刑制度には反対です」という主張から始まったら
へ~この人はなんで死刑制度に反対なんだろう。
あーなるほど、3つの理由があるわけね。
海外では死刑制度を認めてる国は少数派っていう資料をあげてるわけか。
いや、でも海外で死刑制度を認めないのは宗教上の理由もあるんじゃないか?"
こういったように批評的・批判的に読み取ることができるので、まさに筆者とディベートを行っているかのようですよね。
もし自分の立場がなければ単純に「受け身で読んでいる」だけの状態。
自分の意見を持って、批評的に読む方が、相手の意図も汲み取りやすくなるのは当然です。
また、相手とのディベートを楽しみながら英語を読めれば、自然と英語力が向上するのは間違いないですよね。
何でも楽しみながら学習する、というのは継続する上で最も大切なことです。
一見簡単そうだけど良い表現がたくさんある
例えば、
良い表現
- there is no telling~
- The third disadvantage is that ~
- Perhaps the most significant reason is ~
一見簡単な表現ですよね!?
でもこういう表現こそ、難しい英文ばかり読んでいると意外と出てこなかったりします。
なのでこうやってちゃんと触れて、意識しておかないと、いざ意見を言おうとしてもぱっとは出てこないんです。
ぼくは、こういった良い表現や好きな表現をノートにまとめておいて、何度も見返したり、その表現を使った英文を作ったりしていました。
また、繰り返し音読したり付属のCDを使用することでも頭にインプットされて良いと思います。
こういった勉強法は英検2次試験などで詰まったときに非常に助けになります。
簡単そうな表現だとしてもスルーしないで、いざというときに口からパッと出てくる状態にできることが重要だね
That's right!!
1つの文章が短いから無理なく続けられる
肯定・否定を主張する英文は文章を区切りの良いところで区切り、4つから6つに分けて掲載されています。
1つ(1ページ分)は約100~170語です。
1ページ分がこれだけ短いので、そんなに気構えずに取り組めます。
気が向いたときにサクッとできるので、ぼくみたいな飽き性でも無理なく続けることができました。
まとめ
速読英聴・英単語Opinion1400はディベートができるようになるにはまさにうってつけの学習書です。
ただ、それ以外にも英検準1級・1級のライティングや2次試験で使える表現がたくさんあるのも良いところです。
このテキストは表現力を磨くことに威力を発揮しますので、単語帳としては使わないのですが、
実生活で使えることのできるいい表現をたくさん盗むことができる素晴らしいテキストだとぼくは思います。
表現力を磨きたい人、英検準1級・1級のライティングや2次試験対策をしたい人にとてもオススメできる本なので是非使ってみてください。